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理事長挨拶

金子 希代子一般社団法人
日本痛風・尿酸核酸学会 理事長

(帝京平成大学 薬学部 教授)

金子 希代子

早いもので、COVID-19が日本で報告されてから2年となります。日本痛風・尿酸核酸学会では毎年2月に学術集会を開催していますが、昨年2021年2月には、第54回学術集会が市田会長のもと初めてWEBで開催されました。特別講演としてノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典栄誉教授が「オートファジーから見えてきた細胞像」と題して、オートファジー発見の経緯から今後の展望まで興味深く話されました。WEB開催でも例年のように活発な討議が行われ、新たな学会の姿を展望できる学術集会となりました。2022年2月には、第55回学術集会が津谷会長のもとで開催されました。COVID-19の収束が見えずWEB開催となりましたが、第54回学術集会に引き続き、活発な討論が交わされました。特別講演では、福井大学子どものこころの発達研究センター友田明美教授による「マルトリートメント(避けたい子育て)が脳に与える影響と回復へのアプローチ」と題する講演が行われ、普段の研究とは違う新たな気づきがありました。活発な討論を通して、学会に参加した方の研究意欲に繋がっています。
 国民生活基礎調査によると、痛風(痛風関節炎)で通院した患者は2019年に125.4万人(男性119.5万人、女性5.9万人)で、2016年の110.5万人(男性104.8万人、女性5.7万人)から15万人増加しています。1998年からの人数では、平均して3年間で10万人ずつ増加しています。しかし、アメリカ、イギリス、台湾、香港、シンガポールと比べると、痛風の頻度と重症度は低く、日本では治療と予防が適切に行われていることが示されています。高尿酸血症は痛風の予備軍であり患者数は痛風の約10倍と推計されます。そのため、日本の高尿酸血症患者数は1000万人を超えると考えられ、成人男性の4-5人に1人となります。この頻度は先ほどの国と同じ程度ですが、痛風の頻度が低いことからも、日本における高尿酸血症の治療が先駆的であり、その中心的役割を高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインを作成している本学会が担っていると考えられます。
 2020年10月には「循環器病対策推進基本計画」が閣議決定され、脳卒中、心臓病その他の循環器病に至る生活習慣病として、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病等と並んで、高尿酸血症が記載されました。血清尿酸値は、循環器病に至る生活習慣病の第4のリスクマーカーであると考えられます。
 この尿酸、痛風、プリン代謝を研究テーマとしている本学会では、新たにダイバーシティ推進委員会と若手委員会を発足しました。医師だけでなく管理栄養士・薬剤師・理学療法士などの多職種連携を視野に入れ、若手研究者や女性研究者を含む学会員の支援を行うことで、学会の活性化を図ることが目的です。
 是非多くの方に、尿酸についての知識や痛風・高尿酸血症の治療・予防に興味を持っていただき、気軽に学会総会に参加して、お問い合わせいただけますと幸いです。

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